薪ストーブがオモシロイ

安全に設置するために

安易な考えが火災を招きます

近ごろは、薪ストーブをインターネットやホームセンターなどで手軽に購入する事ができます。しかし、石油やガスなどのストーブとは違い、薪ストーブは薪(有機物)を燃やすため、煙道火災の原因となるタール、クレオソートなどの物質が発生しますので、しっかりとした知識をもとにした施工が行われなければなりません。
煙突囲い内部の不燃工事や炉台火災の原因になる低温炭化現象を安易に考えていると、とても危険です。

大切なのは安全な施工

薪ストーブを楽しむためには、安全な施工が最も大切です。
しかし、日本では薪ストーブの文化がなかったために、薪ストーブに関連する法律(建築基準法)も昭和25年から改正されていません。 日本暖炉ストーブ協会では、ストーブ先進国である欧米の安全基準を基に協会基準を設けて安全な施工を呼びかけていますが、未だ普及してはいません。そのため購入したのに怖くて使えない、お金をかけて施工をやり直した、など様々な問題が発生しています。
しかし、一番問題なのは多くのユーザー自身が、何も知らずに薪ストーブを使っていることです。

工務店任せではいけません

自分の家に薪ストーブの設置を決めたときからストーブライフが始まります。まず一番大切なことは、オーナー自身が薪ストーブを理解することです。薪ストーブ専門店に頼んだから、何件も施工実績のある工務店だから、とのんびり構えていてはいけません。ほとんどの大工さんが初めての施工になるので、幾度もの打ち合わせが必要になります。上棟終了後の墨だし、可燃物との離隔距離、炉台工事、低温炭化現象の説明など、薪ストーブ専門店に頼む場合でもどこまで現場監理・施工してもらえるのか確認が必要です。(もちろん施工費に反映されるでしょう)いずれにしても薪ストーブを使うのはオーナーご自身です。最終的にはご自身の目でご確認下さい。

安全な施工の為のポイント

安全離隔距離を保ったとしても、屋根裏などの見えない煙突囲い内は、ケイカルなどで不燃工事を!

二重煙突はシングル煙突と違い重量がある為しっかりとした梁や桁などに固定します。

ストーブ背面の壁は不燃材でしっかりと覆い、万全を期さなければなりません。

低温炭化現象を防ぐため、炉壁には空気層を設け、床も不燃材(ALC等)で炉台設置を確実に!

大切なのは安全な施工

煙突の種類は主にシングル煙突と二重煙突があります。
二重煙突は間に断熱材が入っており、煙突の中の暖かい空気は通常のドラフトによって外まで排出されます。しかしシングル煙突だと煙突自体が熱くなり、そこから熱が放出されることで煙道内部の煙が冷えて煙中に含まれる物質が煙道に付着しやすくなります。それが煙道火災の原因になるものなのです。煙突自体から暖をとるということは考えずに、特に屋外の煙突は外気にさらされるので安全な二重煙突を使用しましょう。

煙突の上げ方・出し方

<煙突の上げ方>
高さは煙突の口元から最低4~5メートルは必要になります。煙突の角度を変えると5~10%ドラフトが悪くなるので、できるだけ垂直に上げたほうがトラブルは少なくなるでしょう。自分で煙突掃除を行う場合にも、あまり極端に曲がっていたり、煙突のトップの位置が不安定な場所だったりすると難しくなってしまうこともあるので、メンテナンスのし易さも考えて煙突の上げ方を考えましょう。

<煙突の出し方>
煙突の屋根からの出し方にはおよそ、煙突囲いを先まで伸ばすもの(※画像1)途中まで伸ばすもの(※画像2)、雨じまいの部材だけで煙突をそのまま上げるもの(※画像3)と3種類あり、トップの形状もメーカー毎にいくつか種類があります。
そのそれぞれに長所があるので、自分の家にはどれが合うか、どのデザインがいいかを専門店 風圧帯からの影響を受けて排気がスムーズに行なわれなくなることもあるので、トップの高さにも注意を払いましょう。 細かい数値についてはメーカーごとに定められた基準がありますのでそちらを確認してください。

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3

煙突の見積もりについて

複数の専門店に見積もりを頼む場合、単純に安さだけで選んでしまうと安全性に問題がある場合も考えられます。煙突は、本体と同じくらいの金額で驚いてしまう人も多い部分ですが、薪ストーブのトラブル(煙が逆流した、煙道火災など)はほとんど煙突が原因になっていることが多いのです。各専門店で見積もりと共にきちんとした説明を受けて、疑問・不安のない上で選ぶようにしましょう。

煙突の工事について

煙突工事は新築の場合、その各工程に合わせて分けて工事現場に入り、取り付けるようになります。「屋根と接する部分での煙突の固定(※画像1)」 → 「トップをつける」 → 「煙突を下げていく(※画像2)」 → 「炉台の設置」 → 「本体の設置と煙突との固定」となります。
既存の家ではおよそ1~2日で終わる工事です。(炉台工事を除く)